2023/09/08
本日は私たちの生活に密接に関わる「高血圧症」についてお伝えします。
① 高血圧症の基本
血圧とは血液が血管の壁に与える圧力を示します。一般的に家庭血圧が135/85mmHg以上を高血圧と呼びます。持続的な高血圧は心臓、脳、腎臓などにダメージを与えると考えられています。
② 疫学とリスク
日本の高血圧症の患者数は4300万人と言われています。そして、高血圧は脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めます。高齢になるほど発症リスクは高まりますが、若い世代でも油断はできません。
③ 原因とメカニズム
本態性高血圧: 遺伝的要因や生活習慣が影響しています。特定の原因は明確でないことも多いです。
二次性高血圧: 他の病気や薬が高血圧を引き起こすケースです。たとえば、腎臓の疾患や内分泌の異常、血管の異常などです。
④ 高血圧の危険性
高血圧そのものよりも、それが引き起こす合併症が問題と考えられます。
脳: 脳卒中や認知症のリスク
心臓: 心筋梗塞、心不全、心臓の肥大、不整脈
腎臓: 腎臓機能の低下や腎不全
目: 網膜の異常
⑤ 治療の進め方
治療の第一歩は生活習慣の改善です。特に食事や運動習慣、禁煙、ストレス管理がキーとなります。食事では塩分や脂質の摂取を控えめにすることが大切です。生活習慣の改善でも血圧が高い場合は、血圧を下げる薬が検討されます。
⑥ 日常でのアドバイス
塩分: 1日6g未満が目標。外食や加工品には注意。
食事: 野菜、果物、魚を積極的に摂取。コレステロールの少ない食事を目指す。
運動: ウォーキング、水泳、自転車などで日常的に体を動かすことが大切。1日30分以上の有酸素運動を目指しましょう。
アルコール: 1日の摂取量はエタノール換算で男性20〜30ml、女性10〜20ml以下。
ストレス: 忙しい日常でもリラックスする時間を確保。
禁煙: 高血圧の患者様では特に積極的に勧められます。
⑦ なぜ高血圧は危険なのか
血圧が高いと血管には常に高い圧力がかかります。これが継続することで、血管がダメージを受け、動脈硬化を引き起こしやすくなります。動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まります。
⑧ まとめ
高血圧症は、生活習慣病の一つとして私たちの健康を脅かしています。しかし、正しい知識と生活習慣の見直しで、そのリスクは大きく減少できます。疑問や不安があれば、気軽に当クリニックまでご相談ください。